世界ぐるっと朝食紀行/西川治
著者が世界各地で食べたものについて書かれた本。
この本に登場する食べ物全ておいしそう。
言葉も通じないのに、屋台みたいなところにふらっと行って食事をするというのはなかなか勇気が要りそう。
食べ物の詳細を聞こうとしても殆ど分からないし、名前を聞いても聞き取れないので、紙に書いてもらって、何回も発音してもらうのだとか。
この本にも出てくるタロイモ(この本ではダロイモと表記されていた。)を子供の頃社会科の教科書で見て、私はずっと食べてみたいと思っていた。
この本にはどんな味か書かれていなかったので、インターネットで検索してみたら里芋のような味らしい。
何となくそんな感じかなあとは思っていたけど・・・そうか、タロイモは手に入らないけど、日本には里芋があるからいいか。
交渉術/佐藤優
元外交官の著者が、実体験をもとに書いた交渉術。
この方の本はこれまでにも何冊か読んでいて、それらと一部内容が重複するけれど、今のところこの本と、一番最初に読んだ国家の罠が特に面白かった。
この方の書いた本がなぜ面白いかというと、人のことをよく見ているからだと思う。
国家の罠を読んだ感想でも似たようなことを書いた気がするので、この辺りについては省略。
国家間、または政治家や官僚をやっている人達の交渉術なんて、私には直接は関係がないけれど、似たようなことは私の周り(主に仕事で関わる人との間)でもある。
結局、人とうまくやっていくことが最大の難関なんだよねえ。
佐藤さんはこの本と、確か他の本でも米原万里さんのロシア語力には敵わないと書いている。
米原万里さんの本は読んだことがないと思う。いずれ読んでみたい。
海馬 脳は疲れない/池谷裕二、糸井重里
海馬を中心に、脳の仕組みや、頭がいいとはどういうことか等について、対談形式で書かれた本。
海馬とは脳の部位のことで、脳に入って来た情報のうちどれを記憶するか選択する役割を担っている。
30歳を過ぎてから頭が良くなる
この本を読んで最も印象に残ったことは、人の記憶力は30歳を過ぎてから爆発的に向上するということ。
記憶と言っても、数字の羅列だとか意味のないものを暗記することではなく、既存の知識と関連付ける(関連付けることで覚えやすくなる)能力が向上するということらしい。
記憶力というより学習能力ということかな。
これは私も実感していて、歳をとると新しいことを身に着けるのは大変になると思っていたけど、どうも以前より理解力が上がったような気がしていた。
気のせいではなかったんだな。
これまでそんな話は聞いたことがなかったけれど、周りの人に聞いてみれば、もしかすると同じようなことを感じている人がいるのかもしれない。
心配しなくても大丈夫
脳細胞は減る一方だとか、魚を食べないとDHAが不足するんじゃないかとか、気になっていたのだけど、脳細胞は減っても大丈夫なくらい十分にあるし、DHAは全く摂らなくても次の世代で不足する程度なんだとか。
確かに、脳細胞が減ったとかDHAが不足したとかで、生活に支障が出たなんて話は聞いたことがないからねぇ。
幽霊のような子/トリイ・ヘイデン
トリイ・ヘイデンさんが出会った、常に体を前に折り曲げていて、喋らない女の子の話。
この子の身に何が起こったのか結局詳しくは分からないままだったけれど、この子の言動から考えて何らかの性的虐待を受けていたことは事実だし、両親から離されることになった途端に元気になり、両親から引き離されて以降一度も連絡を取っていないことから、両親が虐待に直接または間接的に関わっていたという推測は当たっているんだろうなあ。
この子の口から語られる加害者の名前がテレビ番組の登場人物なのは、酷いことをしているのは自分の両親だということを受け入れられないためだという話も納得がいく。
何にせよ、この子を助けることができて、その後はとても調子が良いということなので良かった。
- 作者: トリイヘイデン,Torey L. Hayden,入江真佐子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1998/06
- メディア: 単行本
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インテリジェンス人間論/佐藤優
政治家というのは、自分の国が好きで、国のために働こうという人たちのことなんだな。
言うまでもないことだろうけど。
私は、ニュースで見聞きした事件について多少考えはしても、国のことなんて殆ど考えたことがないと思う。
だから政治家がどういうものとか、政治家になりたい人の気持ちがどんなものとか、ピンとこないんだろう。
同じ日本に生まれて育ったのに、愛国心の有無というのはどこで差ができたんだろう。
この本のあとがきに、人間は大切な自らの命を、国家や理念や神などのために投げ出す覚悟を持つことができて、その覚悟を作り出すのが思想だと書いてある。
そういう覚悟を持った者は他人の命を奪うことにも躊躇がなく、その例としてイスラム原理主義などが挙げられている。
そして日本人には、宗教紛争や民族対立で命を奪ったり奪われたりするということは理解しづらいと。
そう、テロリストが自爆する気持ちなんて、正直理解し難い。
他人を巻き添えにして自分も死ぬなんて、一体何がしたいのか、どういう心持ちなのかと思う。
仕事に行くのが辛くて自殺する人がいると聞いて「何それ」と思う人もいれば、自爆テロのニュースを見て「ああ、わかる」と思う人も沢山いるんだろうな。
小児救急/鈴木敦秋
あまりの多忙さのため、職務を果たせないことに絶望して自ら命を絶った小児科の医師、夜間救急で十分な処置を受けられずに亡くなった子、不適切な診断で亡くなった子など、小児科医療の悲劇にまつわる医師・患者の遺族達を主人公とした話。
小児科の医師不足については以前から聞いたことがある。
この本に書かれている例を見ると、自分が今まで生きてこられたのは運が良かっただけなのかもしれないという気がする。
自分は大人だし小さな子供はいないので、どちらかといえば医師の方の話に共感するのだけど、忙しすぎてやるべきことがきちんとできなくなるのはつらいよなあと思う。
私の仕事は人の命に係わることではないし、忙しいと言ってもこれほどではないけれど、それでもストレスを感じるのだから、医師のストレスなんてどれほどのものかと思う。
大事な人を亡くした人たちは、同じようなことが二度と起こらないようにと願うけれど、人の体は機械的に診断できるものではなく、実際はミスを完全になくすことはできないだろうから、難しい。
けれどせめて、体制の問題による事故は無くなるといい。
世界一周デート 怒涛のアジア・アフリカ編/吉田友和・松岡絵里
付き合って1か月で結婚を決めた著者らは、予算400万円で世界一周の新婚旅行へ。
そのうちのアジア・アフリカを巡っていた時の旅行の様子に、10年後のコメントを追記した本。
付き合って1か月で結婚を決めた相手と長期間の貧乏旅行だなんて、正直引く。
しかも旅行開始早々にご飯を何食べるかで喧嘩し、宿泊先を出て行ってしまうとかありえない。
けどまだ夫婦(あれっ、苗字違うけどそうだよね?)なのだから、人生何とでもなるということなんだろう。
私があまり旅行好きではないからなのだろうけど、楽しそうに書かれているこの本を読んでも、自分も行きたいとはあまり思わない。
珍しいものは食べてみたいので、どこでもドアで行ってサッと帰れるならいいなあ。あと、1人旅はちょっとしてみたい。などと寂しいことを考える。
1週間程度の海外旅行なら何度か行ったことはあるけど(この本に書かれているような過酷な旅行ではない)、自発的にまた行きたいとは思わないなあ。
そういえば学生の頃、友人といるとよく旅行に行きたいねという話になって、正直困ったなと思っていた。
そういうことに乗り気でないというのは、あまり理解してもらえないというか、こちらも言いづらくて。
一緒にいるのに、私だけ仲間外れにするわけにもいかないしね。(変な人でごめんとは思っていた。)