欲望について/ウィリアム・B・アーヴァイン

自分が何を望んでいるのか分からない時が度々ある。望むものが分かればそれを満たすように努力するのに、分からないから嫌な気分のままだ。自分が何を望んでいるのかをできるだけ正確に知る方法がないかと思って、この本を読んでみた。 まず欲望がどのように…

複雑さを生きる/安冨歩

この本を読んでいたらコンピュータ関係の専門用語と思われる*1言葉がちらほら出てきたので、著者は何を専門にしている人なんだろうと思ってWebで調べてみると、経済学者と書かれていた。 でもこの本の中で著者は自身のことを「複雑系科学者」と言っている。…

新・帝国主義の時代(左巻 情勢分析篇)/佐藤優

帝国主義とは以下のようなもので、 資本主義が発達する過程で必然的に起きる現象だ。 外部である他国(場合によっては国内の辺境地域)からの搾取と収奪を強めて、生き残り、発展しようとする大国の本能に基づいている。 佐藤さんは以下のようなものを新・帝国…

失われてゆく、我々の内なる細菌/マーティン・J・ブレイザー

人の体には常在菌がいる、という話は聞いたことがあるけれど、どのくらいの菌がいるかというと、人1人の細胞の数が30兆個に対して、細菌や真菌の数は100兆個なんだとか。 重さでは人の脳の重さと同じくらいで、種類は1万程度らしい。 この、人と共生している…

日本料理とは何か/奥村彪夫

いま日本で食べられている料理、というか料理法や食事の作法は殆ど中国から伝わったもので、では日本料理とは何かというと、それらを日本流にアレンジしたもの、ということらしい。 例えば、元々豆腐は固いものだったけど(本の中に、紐で縛って持ち上げてい…

人体600万年史(上)(下)/ダニエル・E・リーバーマン

肥満や糖尿病など、ここ数年の間に増えている体の不都合は、急激に起こった生活の変化に、人間の進化が追い付けないせいだ、というお話。 変化とは、農業が始まって同じものを大量に食べるようになったことや、色々なことを人力でやる必要がなくなり、運動を…

食と健康の一億年史/スティーブン・レ

何を食べればいいのか、何を食べない方がいいのか、確かな答えなんてないとは思うけど、日々食べるものを選ぶときに、食べたい/食べたくない と 食べるべき/食べないべき が頭の中で喧嘩をして、何を食べたらいいのか分からなくなることがよくあるので、何か…

永遠の旅行者(上)(下)/橘玲

タイトルとなっている「永遠の旅行者」について、本文に入る前に説明があり、どの国の居住者にもならず、合法的にいっさいの納税義務から解放された人々のことだそうな。 一般的にはPT(Perpetual Traveler)と呼ばれるのかな。私は全く聞いたことがなかったけ…

組織の掟/佐藤優

組織に属さないで仕事をしたいと思って今に至るけど、結局組織から逃れられず、組織とは何だと思う今日この頃。というわけで、この本を読んでみた。 組織から完全に自由になることが難しいのは分かっているし、この本はそういう方法が書いてあるわけではない…

ヴィーナスという子/トリイ・ヘイデン

トリイさんのノンフィクションはこれで全部読んだはず。 子供たちが良くなるなんて最初は全く思えなかった。徐々に改善していく様子を見ると、こちらまで嬉しくなってしまった。 まともな社会生活を送れるようになるとはとても思えなかったのに、まさか大学…

嫉妬と自己愛/佐藤優

何だか最近、以前だったら「それって自分勝手じゃないの?」と思うようなことをよく考えていて、最近自己愛が強いのかしらと思ってこの本を読んでみた。 ちょっとその答えが得られるような内容ではなかったけど、小説の内容や佐藤さんの体験を絡めた嫉妬と自…

プラハの憂鬱/佐藤優

佐藤さんが外務省のロシア語研修のためイギリスで過ごしていた頃のお話。 チェコの神学者に関する本を求めていたところ、チェコから亡命してきた本屋の店主と出会う。 神学の話やら、チェコやその周辺の国々のことなど、佐藤さんの本を読むまでは殆ど考えた…

霧のなかの子/トリイ・ヘイデン

トリイさんが書いたノンフィクションの本は全部読んだかと思っていたけど、この本と、他にもう一冊「ヴィーナスという子」を読んでいなかったので、いずれ読もう。 相変わらず面白くて、あっという間に読んでしまった。 以前も書いたかもしれないけれど、私…

絶望の裁判所/瀬木比呂志

元裁判官が語る、裁判所は腐っているよ、尋常じゃない裁判官が沢山いるよ、というお話。 聞くところによると検察やら外務省やらも腐っているという話だし、私の狭い観測範囲を見ても、エリートの中にはびっくりするようなヤバい人が混じっているし、組織とい…

走ることについて語るときに僕の語ること/村上春樹

村上さんは、都合でどうしてもできない日はあるとしても、ほぼ毎日欠かさず走り、年に1回はフルマラソン(42.195キロ走る)に参加し、マラソンに気が向かなくなったらトライアスロンにも参加しているそうな。 ちなみにトライアスロンとは、泳いで走って自転車…

外務省に告ぐ/佐藤優

腹が立つやらやる気が出ないやらで困ったので、佐藤さんの本を読んで癒されることにした。 この内容で癒されるというのもどうかとは思うけど、これが当たりで、少し元気になった。ありがとうございます。 内容は以前読んだ他の本と被る部分もあるけど、全部…

ジェノサイド/高野和明

何年か前に読んだ「13階段」が面白かったので、この本の発売当初、絶賛されていて気にはなった。けど、その後に読んだ「グレイヴディッガー」が私にはいまいちだったので、同じ人が書いたものがどれも面白いとは限らないよなあと思って読まないままになって…

マネーロンダリング/橘玲

漫画以外でノンフィクションを読むのは何年振りか。 面白くてあっという間に読んでしまったけど、私にはあまり後に残るようなものはなかったかなあ。 一つ思ったのは、自分がお金に執着するタイプに育たなくてよかったなということ。今の世の中、お金さえあ…

てんでんこ未来へ

3.11の東日本大震災の日、岩手で起こったことをまとめたもの。 ふるさと納税でいただいた。 「てんでんこ」とは、「各自」「めいめい」の意味で、「津波の際は、人に構わずてんでばらばらに逃げろ」という教えとして1896年の明治三陸大津波のころから三陸地…

来世は他人がいい(1)(2)/小西明日翔

大阪のヤクザの孫・吉乃が主人公で、吉乃が東京のヤクザの孫(正確には違うけど)・霧島の家で婚約を前提に暮らすことになるところから話が始まる。 霧島がぶっ飛んでる人でそこが面白いんだけど、まともな人かと思っていた吉乃も実はそうでもない。 1巻の腎臓…

心と脳/安西祐一郎

この本は、心や脳を情報処理システムとみなす考え方をもとに書かれている。 「心」とタイトルがついていると心理学の本かなと思うけれど、こういう分野を認知科学と言うそうな。 コンピュータの情報処理の仕組みが、人の情報処理の仕組みの解明に伴って発展…

知の教室/佐藤優

佐藤さんは、すぐに役に立つ実務的な知識は賞味期限も短い。一見役に立たなそうな教養が、人生の危機に直面した時に役立つ。というようなことを(この本に限らず)何度か言っている。 確かに、仕事に関係する知識は目の前の仕事をこなすのには役に立つけど、こ…

大震災の後で人生について語るということ/橘玲

長い間、白鳥には羽の白い鳥しかいないと思われていたけれど、実は羽の黒い種類もいるということが分かった。そこから、想定外の出来事をブラックスワンと言うらしい。 この本のタイトルには震災と入っているけれど、震災について書いた本ではない。著者の橘…

IoT革命/大前研一

IoTとはInternet of Thingsの略で、あらゆるものがインターネットにつながるようになった状態のこと。それにより、世の中でどのような変化が起こっているかをこの本で紹介している。 最初の章だけ大前さんが書いていて、残りの三章は別の方が書いている。 全…

いつかの夏/大崎善生

今から10年ほど前に起こった、名古屋闇サイト殺人事件について書いた本。事件当時のことは覚えていない。数か月前に、亡くなった女性の母親が、NHKの番組で事件について語っていたのを見て知った。 番組を見てぼろぼろ泣いてしまったので、この本を読むのを…

世界を変えた巨人たちIF/落合信彦

もし歴史上の有名人と話ができたら何を語るか、今の世の中や日本を見てどう思うかインタビューをしたら何と答えるか、を落合信彦さんが想像して書いた本。 落合信彦さんがどんな方なのかは殆ど知らない。息子さんの落合陽一さんを先に知って、そこからお父さ…

「自分の子供が殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい/森達也

この本はダイヤモンド社の雑誌に連載していた内容をまとめたもので、ダイヤモンド・オンラインにも転載されていたらしい。ダイヤモンド・オンラインは時々見るけど、森さんが書いたものが載っていたとは知らなかったな。 森さん曰く、記事によってはボロクソ…

「諜報的生活」の技術/佐藤優

最近、現状から脱出するにはどうしたらいいかと考えているので、引き際を間違うと泥沼になるという話が特に印象に残った。 気が付けば以前と同じ状況に陥っていて、そろそろ引き際について考えないといけないのかなあと思っている。でも抜け出す算段をつけら…

アメリカン・スナイパー/クリス・カイル

SEALのスナイパーとして活躍し、米軍史上最高の狙撃成功回数を記録したと言われるクリス・カイルさんが、退役後に書いた自伝。 戦争が悲惨だったとか病んだとかいう話ではなく、最後まで一貫してSEAL最高!だった。 彼は人を殺したことに対して、全く罪悪感…

ゼロからわかるキリスト教/佐藤優

マルクスが書いた「ヘーゲル法哲学批判序説」を読む講座の内容をまとめたものがこの本。「ヘーゲル法哲学批判序説」というのはマルクスが25歳の時に書いた論文で、「宗教は民衆のアヘンである」という一節はこの論文に書かれているんだそうな。 それで、キリ…