群青の魚/福澤徹三

交番にいるいわゆるお巡りさんの日々の仕事は、実際ここに書かれているような感じなんだろうな。警察に連絡するような出来事なんて一生に一回あるかないかくらいだと思うけど、かなり忙しいらしい。 自転車で見回りをすると書かれていて、そういえばそんな場…

白日の鴉/福澤徹三

痴漢の場合、被害者の言い分が優先されるような話は聞いたことがあるけれど、こんなに酷いことが本当に起こるのだろうか。やったかやっていないか、証拠がないのだから分からないはずなのに、やられた方の言い分が受け入れられて、やっていないという主張は…

楽園の眠り/馳星周

私に子供はいないけれど、時々誰かに対して意地悪なことを言ってやりたくなる時があり、あの気持ちが増幅されるともっと酷い攻撃をするかもしれない。そう考えると、誰でも子供を虐待してしまう可能性はあるのだと思う。特に気持ちに余裕がない時であれば。 …

灰色の犬/福澤徹三

パチンコをやるために借金をするって理解し難い。世の中にはそういうことをする人がいるということは分かるけども。 そんな状況を見ていて、この先どんな酷いことが起こるのかと暗澹とした気持ちになったけど、それほど酷いことは起こらなくて安心した。 灰…

プロパガンダゲーム/根本聡一郎

楽しそうなゲームだな。参加者が電〇に応募するような優秀な学生でなければ、なかなか面白い展開にならなそうだけど。特にスパイ役が難しそう。 こういうものを見ると、自分が学生の頃の就職活動を思い出す。今思うと何にも分かっていなかった。でも今だって…

暗手/馳星周

そんなつまらない女より、馬兵と仲良くしていた方が楽しいじゃないか(私が)。もう~バカ!と思ったけど、私も他人から見たらどうでもいいことに執着していることがあるかもしれない。 読み終わってから知ったけれど、これは続き物だったらしい。過去に同じよ…

夜の谷を行く/桐野夏生

同調圧力でどうにもならなかったし、直接手を下したわけではないけど、人が亡くなったことについて潔白とは言えない。ということだと思ったのだけど、経験していない人に説明するのは難しいのだろうか。そもそも大っぴらに語れることでもないし。分かるかど…

外事警察/麻生幾

ちょっと分かり辛い話だった。ドラマの原案になったそうだけど、これをドラマでやるのは大変じゃなかったんだろうか。原案というのは、下敷きになる部分の案だけを使って、話の筋は違っていたのかもしれない。 外事警察 (幻冬舎文庫) 作者:麻生幾 幻冬舎 Ama…

一緒にお墓に入ろう/江上剛

私は、自分が死んだ後、自分の体がどうなってもあまり構わないという気がする。生のままだと衛生的な問題があるので、焼くだけは焼いてほしいけど、お墓がなくても構わないし、誰かにお参りに来てほしいとも思わない。死んだ後までわざわざお参りに来てもら…

雪炎/馳星周

危ないことをするならきちんとやり切ってくれればいいのに、ヘマをするものだから、どんな大惨事になるかと思った。古沢がいてくれて良かった。 所々で出てくる、北海道の方言の意味がよく分からなかった。調べればわかるけれど、調べないまま雰囲気で読んだ…

化生の海/内田康夫

知らずに読んだのだけど、シリーズものだった模様。 事件の真相がどうかということよりも、主人公が行く先々の土地に関する情報が面白い。自分に縁のある場所の話だったらより一層面白いだろうなあ。 化生の海(新潮文庫) 作者:内田 康夫 新潮社 Amazon

幸/香納諒一

こういったいやがらせ人事のようなことが、警察ではよくあるのかな。もちろん一般企業でもないことはないだろうけど。厳しいねえ。 幸 SACHI (ハルキ文庫) 作者:香納 諒一 角川春樹事務所 Amazon

暗闇で踊れ/馳星周

途中までは、3人で割と幸せに暮らせる可能性もあった。でも、そうはならんよね。 あと数ページで終わる。どうするどうする?と思っていたら、そうなったか。いっそ清々しい。個人的には、最悪のパターンは回避したと思う。これで良かったのだ。 暗闇で踊れ (…

後悔と真実の色/貫井徳郎

誰かに嫉妬をした時、闘争心を燃やすか、憎むか、諦めるかは時と場合によると思うけど、私自身は、相手を憎むほど嫉妬をしたことはないと思う。 勝てそうであれば追い抜こうとするのもまた楽しいし、勝てないと分かれば、割と諦めは早い方だと思うので。自分…

玉蘭/桐野夏生

質は若い姿で現れたので、若いうちに苦しんで亡くなったのかと思ったけど、割と末永く幸せに暮らした感じだったんだな。質のトラブルは解決したけど、他の人のトラブルは解決しなかったな。 玉蘭 (文春文庫) 作者:桐野 夏生 文藝春秋 Amazon

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年/村上春樹

昔の友達に、気になっていたことについて聞きに行くのは面白そうだ。残念ながら私には、特に聞きたいことがないけど。 自分が思っている自分と他人が思っている自分は大分違っていることがあって、それを聞くのは面白いと思うけど、それこそ、偶然そういった…

ライアー/大沢在昌

この間読んだブラックチェンバーの主人公の男女が入れ替わったような話だけど、こっちの方が好きだな。 この状況で、めでたしめでたしで終わるはずがないとは思ったけど、後味が悪くないのはいい。面白ければ後味が悪くてもいいけど、どうしても気分が沈んで…

我々は、みな孤独である/貴志祐介

魂の仕組みのようなものがこの通りだったとして、なぜ孤独を感じるのか分からない。 魂が過去や未来関係なく色々な人の入れ物を巡るという認識で合っているだろうか。その通りだとすると、遠い未来に人類が滅びてもそれは永久に続くのだろうか。どうでもいい…

日没/桐野夏生

希望と絶望の繰り返し。きっともう駄目なんだろうな、とは思ったけど、最後の、持ち上げて叩き落すやつ。 こういう話、現在でもある国はありそうな気がする。日本では、今はないだろうと思っているけど、世の中は変わるし、まさかと思うことが起こることもあ…

ブラックチェンバー/大沢在昌

どうなることかと思ったけど、最後はちょっとしんみりした。北平は、自分が大金を得たかったのではなく、組織を維持するためのお金が足りなくて困っていたのかもしれない。経営者(?)は大変だ。 三井が気の毒だった。 わざとウイルスを持ち込んで治療薬で儲け…

巨悪/伊兼源太郎

東京地検特捜部が巨悪だという話かと思ったが、そういうことではなかった。 東京地検特捜部には検事が40人くらいしかいないと書いてあった。そんなに少ないのかと驚いたけど、他に調査をする人がもっと沢山いて、その人たちと協力して仕事をしているらしい。…

漂砂の塔/大沢在昌

誰が敵で誰が味方か分からないので、主人公は怖い思いをしただろうが、何だかんだで色々な人が協力してくれて、読んでいる方は単純に面白かった。 3か国語も話せたら、混乱しないんだろうか。母国語以外は普段話す機会がないと思うので、普段から勉強してい…

柔らかな頬/桐野夏生

問題が全て解決するわけではないけど、でもまあいいこともあったよね、的な感じで終わるかと思ったら。最終章。知りたくなかったよ。あの夢が真実かもしれないなんて。 柔らかな頬 文庫版上下巻セット (文春文庫) Amazon

痴漢冤罪/新堂冬樹

痴漢の被害者、目撃者、弁護士がグル。実際にやっている人がいそうな感じもする。 加害者にされたら無実を証明するのはほぼ不可能ということだけど、混雑していたら被害を受けたと証明するのも同様に不可能なのに、本当にそんなものなんだろうか。 二人とも…

カインは言わなかった/芹沢央

この話の主役は尾上だったのか。豪は癖の強い人物で、この後どう動くかと思って見ていたらあっさり退場してしまった。 誉田は、人を指導するのに向いていないのでは。やってほしいことが相手に伝わらなくて怒り出すし、相手はどうすればいいか分からないし、…

嫌な女/桂望実

「嫌な女」というタイトルなので、嫌な気分になる話かと思ったら、どちらかと言えば心温まる感じの話だった。主人公の女性の生き方は、一つの理想の人生という感じがする。 連載していた時のタイトルは「ずっとずっと向日葵」だったようだけど、そちらの方が…

天使に見捨てられた夜/桐野夏生

気持ちが悪いというか、ちょっと怖かった。何だかこのシリーズ、女性が酷い目に合うな。 リナは何らかの先天的な障害があるんじゃないかと思っていたのだけど、誰もそうは言っていなかったな。 お父さんは今回も仲良しで、頼りになる。もしかして最後に突然…

SRO/富樫倫太郎

具体的な数字は忘れてしまったけど、日本で行方不明になる人の数を聞くと、そんなにいるのかと思う。この間も、何年か前に行方不明になった子供の捜索にものすごい数の人が動員されて探し回ったという話を聞いたけど(こちらも具体的な数字は忘れてしまったけ…

顔に降りかかる雨/桐野夏生

以前読んだ「ダーク」はシリーズもので、今回読んだ「顔に降りかかる雨」がその1作目、ダークは最後(5作目)だったはず。(それを知らずに最後だけ読んだ。) ダーク/桐野 夏生 - ・・・という本を読んだのですが。 ふと思い出して最初から読んでみようと思った…

背いて故郷/志水辰夫

主人公が、当初予想もしなかったほど酷い目にあった。 殺されそうになって反撃するのは仕方がないと思うけど、死んだと思っていた奴が生きていることが分かった時、なかなか殺そうとは思わない気がするけどな。自分の人生が滅茶苦茶になってしまうのに、そこ…