EQ こころの知能指数/ダニエル・ゴールマン

精神分析とかではなく、脳の仕組みの方から考える心理学の本かな、

と思ったのだけど、本屋では自己啓発のところに置いてあった。

これを自己啓発とするなら、読む人の目的によっては割と何でも自己啓発に分類されそうな気がするけどなあ。

 

些細なことで突然感情が爆発してしまって、(単に積もり積もったものがある時爆発しただけ、という気もするけど)なぜそうなったのか理由がいまいちわからないし、自分の中にそんなに激しい感情があったことに驚いたことがあった。
どういうことだろうと気になっていたところ、この本で「情動のハイジャック」という言葉を見つけて、ああ、まさに乗っ取られた感じだった、と思ったのがこの本を読んでみたきっかけ。

そんなわけで読むのを割と楽しみにしていたのだけど、実際読んでみると、正直読みづらかった。

いざ読んでみると興味を持てる内容がそれほどなかったからなのか、物語ではなく説明的な文章だから読みにくいのか。

 

情動のハイジャック

それはそうと、ハイジャックは扁桃核の働きによるものらしい。
入ってきた情報に対して反応を起こすまでの流れは2種類あって、一つは思考を司る大脳新皮質を通るルート。通常はこちらのルートを通る。
もう一つは、情動と深い関わりを持つ扁桃核を通るルート。前者が何層もの神経回路を通るのに対し、後者は直通なので速い。非常事態に直面した場合は、この直通ルートが働いて、理性的な判断をする前に衝動的に行動してしまう。
それから、「非常事態」の判断のもととなる情動の記憶の多くは、その意味を表現する言葉を持たない幼少期に形成されるので、爆発の原因を後から理解するのは難しいらしい。
これはコントロールできないわけだ・・・。

 

他に印象に残っていること2つ。

 
共感の欠如

卑劣な犯罪を起こす人の多くは、他人に共感する能力が低いらしい。
人や生き物が傷つくようなことを、好奇心としてはしてみたいなあと想像することはあっても、実際にやろうという気にならないのは、相手の苦しみを想像するからだものなあ。

 

嫌なことを何度も繰り返し思い出すこと

ショックな出来事があった時、子供はその出来事を遊びなどで疑似的に再現することがあるということについて。
これは安全な状態や、実際の出来事よりも程度の軽いものとして思い出したり考えたりすることで、辛いものを辛くないものとして再学習するということらしい。
私はPTSDになるような重い経験はないけれど、もっと小さなことで、嫌なことを何度も繰り返し思い出してしまって嫌だなあと思うことがある。でもそうすることによって、よくよく考えたら大したことがなかったと思えることもあるし、次に同じようなことがあったらどうすればいいとか考えることができるから、嫌だと思っても考えてしまうんだよなあ。

 

他にも何か思うことがあったかもしれないけど、他の本と並行して読んでいたこともあって、忘れてしまった。
今度から本を読むときは、メモを取りながら読もう。

 

EQ~こころの知能指数

EQ~こころの知能指数