将国のアルタイル 1~19巻/カトウコトノ

一応架空の国だけど、実際の歴史も織り交ぜた世界を舞台にした、戦争と政治の話。

ちょうどつい最近読んだ本の内容と重なる部分があって、興味深く読んだ。政治面の話はまさに国家の謀略でいうところのインテリジェンスの話だし、それから自壊する帝国に帝国とは何かということが語られていたなあ、と。

 

主人公は、史上最年少の17歳でトルキエの将軍となったマフムート。軍人になる為の学校を、12歳で首席で卒業している。

その点は天才と言っても過言ではないのだけど、そうは言ってもまだ17歳なので、将軍になりたての頃は、国全体にとっては何が最善か、という事までには考えが至らない。それで、人としては良いことだけど将軍としては不適格な行動をとってしまう。

けれどその後は、軍事面でも政治面でも頭角を現していく。

 

ちなみにこの国の将軍は軍隊を率いるだけでなく、政治もやる。(絶対激務だな・・・。)

トルキエの原型は国名等の条件から考えてトルコだと思うけど、あの辺りでパシャ(将軍)、スルタン(将王)という役職があったことや将軍が政治をやっていたことを、歴史の授業で習ったのか、聞き覚えがある気がする。

周辺の国々のことも含め、この漫画は世界史に詳しければより面白いと思うのだけど、私はあまり知識がなくて残念。

 

主人公がトルキエにいるので、読者は主にトルキエ側からこの世界を見る事になるのだけど、対するバルトライン帝国側が悪かというとそうとは言えない。どちらも自国の為を思って行動しているだけなので。そう考えると主人公が属するトルキエが勝てば万事OKでもない。どんな終わり方をするのか。めでたしめでたしで終わるとも限らないけど。

 

将国のアルタイル(19) (シリウスKC)

将国のアルタイル(19) (シリウスKC)