野中広務 差別と権力/魚住昭

私は部落差別というものがあることをいつ知ったのだったか。社会人になってからだったかもしれない。少なくとも私の知る限り、身近にそういうものはなかったので。

場所によって違うのかもしれないが、野中さんの出身地の部落は、江戸時代に人や動物の死体処理をしていた人達が起源らしい。

この話を聞いて、その人達の子孫を何か悪く思うかというと私は全く思わない。けれど、生まれた時から身の回りにそういう人達を差別する風潮があると、多分理屈ではなくそういう気持ちが湧いてくるものなんだろう。

 

野中さんは部落の出身だったせいで総理になれなかったと書いてあったのだけど、部落が育った場所の近くになかった人達も、そんなことを気にするものなのだろうか。

麻生さんが何やらきついことを言ったようだけど、歳が上の方の人にとっては身近な問題なのか。

 

野中広務 差別と権力 (講談社文庫)

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