人体600万年史(上)(下)/ダニエル・E・リーバーマン

肥満や糖尿病など、ここ数年の間に増えている体の不都合は、急激に起こった生活の変化に、人間の進化が追い付けないせいだ、というお話。

変化とは、農業が始まって同じものを大量に食べるようになったことや、色々なことを人力でやる必要がなくなり、運動をする機会が減ったことなど。

この本ではそれらの病を「ミスマッチ病」と呼んでいる。

人の体はしばらくの間食べ物が手に入らなくても大丈夫なよう、エネルギーを脂肪として貯め込めるように適応してきたのに、現代は余るほど食べ物があり、あっという間に脂肪が貯まってしまって、そのせいで病気になるのでミスマッチというわけ。

 

私としてはどこかで聞いたことのある話が大半だったなという印象だけど、一つへぇと思ったのは、自閉症もミスマッチ病の一つである疑いがあるということ。

私は自閉症は、昔からあったけどうまく診断ができていなかっただけだと思っていた。けどこの本によると、

例えば自閉症は、かつては殆どなかったのに最近になって急に一般的になった障害であること(これは診断基準が変わったからだけではない)、そして大半が先進国で発生していることから、ミスマッチ病の一つではないかとも考えられている。

 だそうな。判断が難しく、あくまでも仮設だそうなのだけど。

 

人体600万年史(上):科学が明かす進化・健康・疾病
 
人体600万年史(下):科学が明かす進化・健康・疾病