サイロ・エフェクト/ジリアン・テット

サイロとはトウモロコシなどを保存する大きな、多分円柱状のあれ。頭には何となくイメージが浮かぶけど、日本ではあまりなじみのない言葉だと思う。

この本では、組織内の各部門がサイロのように背の高い壁で区切られ、情報共有ができていない状態をサイロと呼ぶ。

大きなものを大きなままにしておいては制御できないので、分割するのは必要なことだけれど、徐々に各部門が、組織全体の利益ではなく各部門の利益を優先するようになり、部門間で情報を共有しなくなってしまう。

この本には、そうして衰退していった組織や、サイロを壊そうとした組織、サイロを作らないように努力している組織の例が挙げられている。

ちなみにソニーはサイロにより衰退した企業の例として挙げられている。

 

著者は元々文化人類学者で、文化人類学とは文化的側面から人々を分類する学問なのだそうな。

何故文化人類学の視点がサイロの研究に役立つのかというと、サイロは正式に定義されたルールなどから発生するのではなく、しきたりや慣習など文化によって発生するものだから。皆何となく「そういうもの」だと思っているうちに、自然とサイロが築かれてしまう。

 

サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠

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