パンのペリカンのはなし/渡辺陸
ペリカンは東京の浅草にあるパン屋さんで、食パンとロールパンのみを売っている。この本の著者はペリカンの4代目の店主だそうな。
今は通販をやっていないそうなので、気軽に行ける距離に住んでいない私はここのパンを多分一生口にすることはないのだろうけど、何故か私はここのパンがおいしいと言われていることを知っていて、以前から食べてみたいなあと思っていた。
最近流行りの食パン専門店の、「甘い」とか「ふわふわ」とか言われるパンではなくて食事向けのパンらしい。しかもモチモチしているなんて言われるとすごく食べたい。
今は食パン専門店がいくつかあるけど、ペリカンが食パンとロールパンのみに絞り始めた頃は、そういう売り方をするパン屋さんは他になかった。2代目の店主が、他のパン屋さんと競争したくないという理由で商品を絞り、小売りではなく卸し中心に転換したのがこのスタイルの始まりなのだそうな。
言い方を変えると、うまいことブルーオーシャンを見つけたということか。
と言っても、こういう仕事は色々と大変なんだろうけど。朝番の人は代わりがきかなくて(突然体調不良などで休みたいと思っても、朝早いので代わりを頼めない)プレッシャーらしい。毎日やらないといけなくて、後から取り戻すことができない仕事って大変だ。