ヤノマミ/国分拓

 著者は数人のロケメンバーと共に、計150日間ヤノマミの集落で暮らした。本書はその記録。ヤノマミとは、アマゾンの奥地で殆ど文明に触れることなく暮らしている人々のこと。

 

常識や善悪は、自分の身の回りの人達がそう言っているからそうだと思い込んでいるだけなのだと思う。絶対的な善や悪なんてない。例えばヤノマミは生まれたばかりの子供を殺してしまうことがあるけれど、その行為は私たちが知っている、人の命は何よりも優先されるべきだという善悪の物差しでは測れない。医療の発達などで暮らしが楽になることが良いことなのかどうか分からなくなってくる。

 

西欧人がこの地にやってきてから500年の間に、ここにはなかった病原菌のせいで、人口の90%以上が失われたそうだ。

巻末の参考文献にジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」があったので、その辺りに詳しく書いてあるのかもしれない。

ヤノマミ (新潮文庫)

ヤノマミ (新潮文庫)