悲素/帚木蓬生

和歌山のカレー事件を元にした小説で、大学教授である主人公が、和歌山県警からの依頼で被害者たちを診察し、砒素中毒の診断をしていく。

カレー事件の方ばかり印象に残っていて殆ど忘れていたのだけど、そう言えば犯人と言われたあの人は、カレー事件より以前から 周囲の人間に砒素を盛り、多額の保険金を得ていたという話があった。一方カレー事件については動機がはっきりしない。

この点について最後に主人公が、13年にもわたって砒素でおいしい思いをしてきた犯人は、砒素を盛るのが快感でやめられない状態になっていたのではないかと言っている。

この人は確か死刑が確定していたと思うけど、今でもカレー事件の犯行は否定しているのではなかったかな。それに他にもこの人が犯人ではないという話を聞いたことがある。真実は何なのだろう。

悲素

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