2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

悲素/帚木蓬生

和歌山のカレー事件を元にした小説で、大学教授である主人公が、和歌山県警からの依頼で被害者たちを診察し、砒素中毒の診断をしていく。 カレー事件の方ばかり印象に残っていて殆ど忘れていたのだけど、そう言えば犯人と言われたあの人は、カレー事件より以…

大泥棒/清永賢二

泥棒のプロが書いた日記を、犯罪行動生態学の専門家である著者、犯罪予防論の専門家、(日記を書いたのとは別の)泥棒のプロがチームを組んで読み解き、犯罪者の視点などを述べたのがこの本。 ちなみにこの本では泥棒のプロのことを、そこら辺にいる泥棒と区別…

死に山/ドニー・アイカー

50年ほど前に、ロシアの雪山で9人の学生が遭難し全員が亡くなったが、原因が不明なままとなっていた。 著者はアメリカ人のジャーナリストでこの件には何の関わりもないが、原因を探ろうと関係者にインタビューをしたり、彼らが遭難した場所に行ってみるなど…

眠れ、悪しき子よ(上下)/丸山健二

会社を辞め、田舎に移り住んだ55歳のオッサン(失礼)の、テンション上がったり下がったりする日々を綴った小説。 会社勤めの退屈な日々から一転、田舎に移り住んだ途端に、自身の出生の秘密が分かったり、親が死んだり兄弟が死んだり殺人者に出会ったりと、波…

トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか

2009年の7月、北海道のトムラウシ山を登るツアーが行われたが、ガイドを含む18名中8名がなくなった。原因は低体温症だったそうだ。 自分が山に登る予定はないし、身の回りで山に登る人はいないけれど、何となく興味を持ったので読んでみた。 人間の深部体温*…

放蕩記/村山由佳

村山さんの半自伝だそうで。主人公の夏帆が村山さんということだね。 夏帆は母親と気が合わず子供の頃に苦しんだが、大人になった今でもうまく付き合えない。そんな母親の痴呆が始まって・・・というお話。 正直、母親がものすごく酷いとまでは思わなかった…

日本人の値段/谷崎光

日本のもの作りが落ちぶれつつあるような話はよく聞くし、電気屋さんなどに行くと確かにそう感じる。 中国や韓国のものも日本の技術者の流出で少しずつ良くなってはいるのかもしれない。 でも日本から中国に出ていった技術者の方々曰く、一部の技術だけ入手…