愛はなぜ終わるのか/ヘレン・E・フィッシャー

浮気や離婚を生物の進化の過程から説明した本。

人間の祖先の骨や使っていたと思われる道具から、彼らがどんな風に生きていたかを想像するって、ちょっと楽しそうだなあ。

 

男女は自然にパートナーを組む

男女の集団内でパートナーをシェアしても良いことになっていても、大半は特定の人とだけパートナーになる。

どの文化でもそういう傾向が強いとのこと。

太古の昔、一夫一婦制は、男性の立場では自分の子孫をきちんと育ててもらうということ、女性の立場では安全に子育てできるということから、繁殖の戦略として効率が良かった。

それが遺伝子に刻み込まれているということらしい。

なので、今みたいに女性が経済力を持つと離婚が増えるのだとか。

「必要」でないなら、他に一緒にいる意味がないとな。

まあ、そういうことも、あるわねえ・・・。

 

浮気の目的

男性の場合は、生物として子孫をより多く残すためということはよく聞くけれど、女性の場合は、子育てに有利なサービスを受けるため、という目的があったらしい。

食べ物がもらえるとか。

これは現在私たちが暮している社会ではあまり当てはまらないかなあ。

子育てのための経済的な援助を受けるために浮気をする女性の例はあまり聞かない。

 

離婚のピークは結婚から4年

これは多くの種の子育てが終わる時期と一致するらしい。

恋愛感情的なものが長続きしないのも同じ話。

身も蓋もないな。

 

人間の子供時代は長い

人間は進化と共に脳が大きくなり、頭が大きくなりすぎると産道を抜けられなくなるので、他の霊長類より未熟な状態で生まれてくる。

だからより一層安定した配偶関係が必要で、一夫一婦制が適しているんだと。

そして、成熟するまでの期間が他の霊長類に比べてほぼ2倍長い。

これは複雑な世界を学ぶための期間とこの本では言っている。

賢くなった分、やらなきゃいけないことが増えたということなんだねぇ。

 

女性が男性より劣ると見なされるようになった理由

それは鋤!鍬!えーっそんなもので何故。ところで鋤ってどんな道具だっけ。

この本の中で一番驚いたかもしれない。そして理由を聞いてなるほどと思った。

(社会科の授業で鋤が出てきたときに、こういう話があったかも?覚えていない。)

鋤や鍬は扱うのに力がいるので、力のある男性が有利ということらしい。

今だと、誰が稼いだ金で暮らしていると思ってんだーっていうやつか。

生計を立てている人が偉いということね。確かにそれがなければ生きていけないけれども。

 

愛はなぜ終わるのか―結婚・不倫・離婚の自然史

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