獄中記/佐藤優
いわゆる鈴木宗男事件絡みで拘置所に拘留された佐藤優さんが、拘置所の中から弁護士や友人に書いた手紙や、拘置所の中でつけていた日記などからの抜粋を本にしたもの。
この方の本は他に「国家の罠」を割と最近読んだのだけど、それと少し内容が被っていたので、もう少し時間を置いてから読めばよかったかなあ。
信念について
国家権力にターゲットにされた場合、逃げ切れないことは分かっているので、それならば裁判をどういう方向に持っていくか。
この方は、早く裁判を終わらせて楽になるより、正しさを通すことを選んだ。
自分が納得できる方を選びたいという気持ちは分かる。
人生の10年以上をかけて、色々な困難を乗り越えながらも正しいと信じてやってきたことに対して、悪いと思っていないのにやりましたごめんなさいなんて言いたくないよなあ。
でも何日も拘留されて、検察官に毎日怒鳴られたりしたら、私も折れてしまうのかな。
神学について
この方は神学部出身で、拘留中も関連する本を読んだりなどして勉強しているのだけど、私は宗教をあまり意識せずに生きてきたので、どういう学問なのかピンとこない。
そういう知識を持って世の中を見ると、何か違って見えるのかもしれない。
姿と声と
この本は日記の内容などが淡々と書かれている(ように見える)ので、この人は常に淡々として物静かな人なのかなという気がしていたけど、この本を読み終わった後、佐藤さんが出ているテレビやラジオの録音をいくつか見たり聞いたりしてみると、本から受ける印象と違っていて、ちょっと面白かった。