脳を鍛える/立花隆

著者の立花隆さんが東大で講義した内容を本にまとめたものらしい。

大雑把に、前半はいわゆる文系の話、後半は理系の話だったように思う。

この本に文系と理系それぞれの知識が偏りすぎているのは良くないよねと書かれているのだけど、確かに、私が文系だからなのか、後半の話は難しかった。前半の話は大体わかる話だと思ったけど、理系の人は前半の話をよく分からないと思うのだろうか?

大学の教養科目でとった何かの講義で聞いたエントロピー増大の法則は覚えていたのだけど、これが熱力学の第二法則なんていう重大なものだとは知らなかった。(もしかするとそう教えてもらったから覚えているのかもしれないけど、記憶にない。)

私がぼんやり覚えていたエントロピー増大の法則のイメージは「何でも拡散する」だったのだけど、これは「熱」力学の法則なので、エントロピーが増大するとはエネルギーの質が低下することであり、もう少し具体的に言うと仕事をする能力が劣化するということだそうな。

生命であればそれは死で、形あるものは何でも崩れ去るのがこの世の法則だとしても、生き物が生まれることはその法則に逆らうことなので、別の法則が要るはずだという話が面白い。

形作られては崩れて・・・を繰り返すこの世の仕組みを決めているものは何なんだろう。

とこの辺りまでは面白かったけど、かの有名な相対性理論が出てきたあたりからついて行けなくなった。

まあ、文系とか理系とか関係なく、このくらいは知っていないと、ということを私は知らなくて、これじゃいかんなということが分かったということで良しとしよう。

 

脳を鍛える―東大講義「人間の現在」 (新潮文庫)

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