大震災の後で人生について語るということ/橘玲

長い間、白鳥には羽の白い鳥しかいないと思われていたけれど、実は羽の黒い種類もいるということが分かった。そこから、想定外の出来事をブラックスワンと言うらしい。

この本のタイトルには震災と入っているけれど、震災について書いた本ではない。著者の橘さんが、東日本大震災というブラックスワンによって人生設計の経済的な基盤を根こそぎ奪われた人々を見て、橘さんがこれまで書いた本の中で述べてきた「人生設計のしかた」をまとめたものだ。

 

それでどうすべきかというと、「卵を一つのかごに盛るな(資産を一極集中させるな)」ということだと思う。

持ち家は天災やら人災やらで金融資本を一度に失うことになるからハイリスクだし、一旦勤め始めた会社にすがる働き方は、その会社の中でうまくやっていくことに注意を注がなければならないから楽しくない。

後者の話は私も、新卒で入った会社で嫌なことがあっても我慢するしかないと思っていた。簡単に他へ行けないと思っていたから。今でも、他へ行くのは不可能ではないにしても、気合が要ることだとは思うけど。