霧のなかの子/トリイ・ヘイデン

トリイさんが書いたノンフィクションの本は全部読んだかと思っていたけど、この本と、他にもう一冊「ヴィーナスという子」を読んでいなかったので、いずれ読もう。

相変わらず面白くて、あっという間に読んでしまった。

以前も書いたかもしれないけれど、私がこの方の本を読んで面白いと思う理由は、この本に書かれている出来事に興味があるからと言うよりは、この方が考えたこと、思ったことについての説明が興味深いからだと思う。それから、表現の上手さもあるかもしれない。

例えば冒頭の、カサンドラに初めて会った時のこと。

わたしはそこに妖精のような耳が見えるのではとなかば期待してしまった。

 一言「妖精みたいな子だと思った」と書かれては惹きつけられない。

きっとトリイさんは実際に上記のように思ったんだろう。人と言葉を専門とする仕事をしているだけあって、自身の内面を言語化することに長けているということなんだろうな。

霧のなかの子

霧のなかの子