組織の掟/佐藤優

組織に属さないで仕事をしたいと思って今に至るけど、結局組織から逃れられず、組織とは何だと思う今日この頃。というわけで、この本を読んでみた。

組織から完全に自由になることが難しいのは分かっているし、この本はそういう方法が書いてあるわけではないけど、ああ~、そうそう!と思うところが多くて面白かった。

 

インテリジェンス業界の職業適性

モサド(イスラエル諜報特務庁)の諜報工作員だった人が考案したという、インテリジェンス業界の適正判定テストが紹介されていて、判定の結果「利己的なサメ」「バネが伸び切っていないタフガイ」「慣習に従う一般層」「無害な弱虫」「高潔すぎる正義感」に分類される。

私は「慣習に従う一般層」だった。

大多数がこのカテゴリーに属するそうで、まあ私も普通の人ということでよかった。

 

問題のある人を排除する

組織全体の目配りは、民間企業ならば事業本部長や取締役、中央官庁ならば官房長以上の幹部の役割だ。あなたが中間管理職なら、自分の部署をいかに守るかだけ考えておけばいい。

上司も部下もその認識でいないと、何とかしろって言われてしまうんだけどねえ。私の仕事じゃない!って突っぱねてみてもいいのかもしれない。

組織の仕事は、「足し算」ではなく「掛け算」で行われることが多いと認識している。他の部下がいかに努力して成果を上げても、「×0」をする人間が一人でもいると、全体の結果もゼロになってしまう。

 これについては「足し算」で、ゼロではなくマイナスをする人がいると思う。

 

頭のいい人のなかには癖の強い人も多い

総括公使とは、大使館の次席公使の次のランクであり、大使館のナンバー3にあたる。

当時の総括公使は驚くとオネエ言葉になる人だった。彼は自分の遺伝子をできるだけ多方面に残すという本能によって動いているような人なので、トラブルに遭遇することも多いのであるが、それを上手に切り抜ける知恵がある。

 オネエ言葉なのに頼りになるって素敵だ(笑)。他にも、後輩を○○氏と呼ぶ人とか、別の本に書いてあった話だけど気に食わないことがあるとそこら辺にウ○コする人とか、頭のいい人のなかには、癖の強い人が多い。

優秀だから、人にもまれて自分をかえりみることがないのかもしれない。オネエ言葉や○○氏呼びは何も害がないからいいと思うけど。

 

本業以外が組織を出てから役に立つ

その通りだと思うけど、凡人はなかなか、本業以外でいざという時に仕事にもなるような能力を身に着けるのは、難しいと思うんだよねえ。

 

組織の掟 (新潮新書)

組織の掟 (新潮新書)