腐海の花/柳原慧

真夜は二十近くも年下の誠人と付き合っている。誠人はよく懐いた犬のように真夜を慕っているけれど、その一方で同年代の女と浮気をしているようだ。真夜は浮気の証拠を掴もうとして、誠人が捨てたメモに書かれていた電話番号に無言電話をかけたり、駅で待ち伏せをしたりする。

 

最初から最後まで、真夜の視点で書かれている。それは良いのだけど、どこまでが事実なのか、何を信じれば良いのか分からない。(小説なので全て嘘と言えばそうなのだけど。)実は殆ど真夜の妄想なんじゃないかという気もする。それも真夜にとっては事実なのだろうけど。

 

腐海の花

腐海の花