死体格差/西尾元

 解剖が必要とされるのは、穏やかな死を迎えられなかった人の遺体だ。著者の西尾さんが解剖してきた人達の約50%が独居者であり、約20%が生活保護受給者、約30%が精神疾患患者だそうだ。

日本では生活に困ったら生活保護を受ければよいという話を聞くことがあるけれど、生活に困らない程度の施しが受けられるはずなのに凍死する人がいるなどという話を聞くと、本当にまともに暮らせるのだろうかと心配になる。

そして、1人で暮らしていると、突然倒れた時に助かりにくいと考えると怖くなる。まあ、自分で選んでいることでもあるし、同居人がいても死ぬときは死ぬので、考えてもきりがないのだけど。

死体格差 解剖台の上の「声なき声」より

死体格差 解剖台の上の「声なき声」より