食べるたびに、哀しくって・・・/林真理子

 林さんのお祖母さんの家はお菓子屋さんだったそうで、余ったあんパンやジャムパンを、翌朝炊き上がったご飯の上にしばらく乗せてから食べるとあつあつでおいしかった、という話がすごくおいしそうだった。ご飯の上にパンを乗せるって大分斬新だけど、当時は電子レンジないから思い付きでやってみたんだろうか。

私の思い出の食べ物って何だろう。何でも好きだったからか、ぱっと思いつかないなあ。どちらかと言えば、自分で選んで食べるようになった大人になってからの方が、食べ物に対するこだわりが表れているかもしれない。

タイトルは「哀しくって」と書いてあるけど、哀しい話は特になく、食べ物の話は読んでいて楽しい。

食べるたびに、哀しくって… (角川文庫)

食べるたびに、哀しくって… (角川文庫)