沈黙のひと/小池真理子

主人公である怜子の両親は、怜子が幼い頃に離婚し、父親とは殆ど合わないまま暮らしていた。けれど父親のパーキンソン病が進行し、介護施設に入ることになって、父親との交流が始まる。

やがて父親は亡くなってしまうのだけど、遺品から、様々な父親の過去を知ることになる。

 

うちの場合、両親は離婚していないし、私は両親と年に数回は会っているので、怜子のように、亡くなる直前や亡くなってから、父親や母親がどんな人だったか知ることはないと思うのだけど・・・。

いやでも、自分の両親がどんなことを考えているかよく知っているかというと、あまり知らないんだろうと思う。高校卒業と同時に実家を出て、それ以来年に数回しか会っていないのだから。

このままでいいのかなという気はする。だけど、そういうものなのかなという気もする。例え一緒に暮らしていたとしても、他人のことがそれほど分かるわけでもないだろうし。

 

沈黙のひと (文春文庫)

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