認知症鉄道事故裁判/高井隆一

著者である高井さんの父親は認知症になり、在宅介護で暮らしていたのだけど、家族が目を離したほんの短い間に外出してしまい、JRに轢かれて亡くなった。

すると事故から半年後に、突然JR東海から約700万円の請求書が届いた。

高井さんは、家族が迷惑をかけたことについて申し訳ないと思いつつも、JR側の不躾な態度や再発防止を考えようとしない様子に、JRにも非がないわけではないのにという気持ちが大きくなり、妥協をせずに裁判で戦い、勝訴した。

 

この本の最初の方のページに、東海近辺で起こった鉄道事故の損害額がいくつか挙げてあるのだけど、想像より金額が少ないなと思った。このくらいだったら、何年も裁判で戦うよりは、さっさと払って終わりにしてしまいたいと思うだろう。700万円となるとちょっとそうも言えないけど。

 

認知症の人を、家族が全く目を離さずに介護をするのは無理なので、家族の責任にするのは違うと思うけど、かと言って事故が起こる度に鉄道会社が損失を被るのも困るだろう。とにかく事故を起こさないように、線路に入れないようにするのがいいのかな。

 

認知症鉄道事故裁判 ~閉じ込めなければ、罪ですか?~

認知症鉄道事故裁判 ~閉じ込めなければ、罪ですか?~

  • 作者:高井 隆一
  • 発売日: 2018/04/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)