百の夜は跳ねて/古市憲寿
主人公は、大学まではさほど苦労せずに進んだけれど、就職に失敗してビルのガラス清掃の仕事をしている*1。彼は清掃中のビルの窓越しに出合った老婆に乞われて、清掃中にビルを盗撮し、盗撮した写真を老婆に渡すことになる。
誘った老婆も、誘いに応じた主人公も、寂しいから出会ったんだよね。読んでいて私も少し寂しくなった。
タテタテヨコ。
先日読んだ「平成くん、さようなら」も面白かったけど、これも好きだな。
*1:清掃の仕事が「失敗」という言い方は失礼かもしれないけど、この話の中ではそういう意味で書かれていると思う。