恐怖の地政学/T・マーシャル

タイトルに「恐怖の」と付いているけれど別に恐ろしいことが書かれているわけではない。山とか川とか、人の行き来が困難な場所があると発展しにくいよとかいうお話。

アフリカが、アメリカの3倍もの大きさだということや、船が航行できないような川が沢山あると知って少し驚いた。人類発祥の地なのに、どうしてアフリカは他の国より遅れたままなのか不思議に思っていたけれど、地形的な理由もあったのか。もちろんこれは理由の一部でしかないのだけど。

 

メルカトル図法で書かれた地図では、土地の本当の大きさが分かりづらいという話があるので、インターネットで調べてイコールアース図法という書き方で書かれた地図を見てみた。確かにアフリカはアメリカの3倍くらいだった。

アフリカはあの辺りの沢山の国を一括りにして呼ぶときの呼び名だと思うけど、一つの国で一番大きいのはロシアかな。

日本はやっぱり小さい。もっと小さい国も沢山あるけど、日本は山が多くて、人が住める土地が国土の3分の1か何かではなかったか。

 

恐怖の地政学 ―地図と地形でわかる戦争・紛争の構図

恐怖の地政学 ―地図と地形でわかる戦争・紛争の構図

 

 

奈落/古市憲寿

歌手として活躍していた香織は、ステージから転落し、殆ど体を動かすことも、喋ることもできなくなった。それが多分20代前半のことで、この小説の中では、香織が40代になるまでの出来事が書かれている。

本を読むと大抵自分だったらどうするかと考えるのだけど、自分の意志では何もできないし、他人に意志を伝えて何かをしてもらうこともできないので、選択肢がない。更に、家族が自分の意に沿わないことばかりする。元々反りの合わなかった母親や姉はまだしも、理解者だったはずの父親までもが酷い。タイトルの通り奈落だ。

狂わずにいられたのは家族への怒りのためだと香織は言っているけれど、狂ってしまった方が楽かもしれない。でも、ある日症状が改善するかもしれないと思わずにいられない。最後まで。

奈落

奈落

  • 作者:古市 憲寿
  • 発売日: 2019/12/24
  • メディア: 単行本
 

 

百の夜は跳ねて/古市憲寿

主人公は、大学まではさほど苦労せずに進んだけれど、就職に失敗してビルのガラス清掃の仕事をしている*1。彼は清掃中のビルの窓越しに出合った老婆に乞われて、清掃中にビルを盗撮し、盗撮した写真を老婆に渡すことになる。

誘った老婆も、誘いに応じた主人公も、寂しいから出会ったんだよね。読んでいて私も少し寂しくなった。

タテタテヨコ。

 

先日読んだ「平成くん、さようなら」も面白かったけど、これも好きだな。

 

百の夜は跳ねて

百の夜は跳ねて

 

 

*1:清掃の仕事が「失敗」という言い方は失礼かもしれないけど、この話の中ではそういう意味で書かれていると思う。

80's/橘玲

著者である橘さんの、20代の頃の出来事。

20代の頃に書いたという文章が紹介されていたのだけど、エッ、これ最近書いたんじゃないのと思った。ご本人も、言っていることが今とほとんど変わらないので驚いたと書かれているけど。

仕事で会社に泊まり込んでいて、同僚に促されて1か月ぶりに家に帰ったら、生まれたばかりの赤ん坊が畳に敷いた座布団の上で寝ていて、その隣で奥さんがぽつんと座っていた、という話はちょっと引いた。

 

 

平成くん、さようなら/古市憲寿

安楽死が認められた世の中で、一見特に死ぬ理由が見当たらないパートナーから、死にたいと言われたら。

一応、それなりの理由がなければ安楽死が認められないという設定のようなので、大抵は周りの人も納得できるのだろう。けど、本人が心から納得していないのに死んでしまった例も書かれていて、もし現実に安楽死が合法になったら、そういうこともあり得るんだろうなあ。

安楽死の相談をすることで、別の相談窓口を紹介してもらって、死ぬ必要はなかったと気付ける仕組みはいいな。

 

平成くん、さようなら

平成くん、さようなら

 

 

赤刃/長浦京

人から歓迎されないようなことが大好きだったり得意だったりすると生きづらい。それでも自分は好きなことを貫くんだ、他人なんか知ったこっちゃない、と思えるほどそれが好きなら、少し羨ましい気もする。巻き込まれる他人はたまったもんじゃないけど。

赤刃 (講談社文庫)

赤刃 (講談社文庫)