太陽の子/灰谷健次郎

主人公は小学6年生のふうちゃんと呼ばれる女の子で、とても明るくて感じの良い子だ。ふうちゃんの両親は沖縄出身で、神戸で沖縄料理店を営んでいる。そのお店に集まってくる沖縄出身の人たちも良い人ばかりなのだけど、沖縄で戦争を経験していたり、沖縄出身…

恵美と一緒に/浦川裕子

娘さんを亡くした母親の手記。 娘さんはどうも付き合っていた男の人と一緒に大学内で自殺したようなのだけど、あまり詳しいことは書かれていない。著者の浦川さんは娘さんが亡くなった理由について疑問を持っていたようで、警察にもそのように伝えたけれど、…

亜玖夢博士のマインドサイエンス入門/橘玲

ここに書かれていることのいくつかは、将来実際に起こることかもしれないと思う。 色々とえぐい話が続くのだけど、最後は予想外にいい話で終わり、うっすら涙ぐんでしまった。 亜玖夢博士のマインドサイエンス入門 (文春文庫) 作者:橘 玲 発売日: 2014/08/08…

言ってはいけない格差の真実/橘玲

差別であるかどうかの判断基準は、相手が不快に思うかどうかではなく合理的に説明できるかどうかであり、それが世界標準の考え方である、とのこと。 差別と区別は違うよねと思っても、じゃあ何が差別で何が区別なのかというと自分の中できちんと定義できてい…

評価経済社会/岡田斗司夫

農業革命、産業革命に続く第3の変化の波、情報革命によって、私たちの価値観は大きく変わりつつある。各時代で主流となるものの考え方はそれぞれだけれど、その根底にあるのは「沢山あるものはパーッと使って、少ないものは大事にする」ということだ。時代に…

亜玖夢博士の経済入門/橘玲

これ絶対酷い目にあうんだろうなあと思って嫌な気分になりつつも、怖いもの見たさで続きが気になってしまう。 相談に乗ってあげる、願いをかなえてあげると言いながら、無邪気に人を陥れるこの人達は一体何なのか。世の中は仕組みは自業自得や因果応報ではな…

臆病者のための裁判入門/橘玲

海外から日本に来て働いている友人がトラブルに巻き込まれたため、著者の橘さんが裁判のサポートをすることになった。被害の内容は大したことがないのだけど、過去に例がない珍しい案件だったため、散々たらい回しにされたというお話。 面白いと思って読んだ…

笹の舟で海をわたる/角田光代

主人公の左織は現在60代で、幼い頃、戦争のため親元を離れて疎開した経験を持つ。そこでの出来事は、いじめがあったり、食べ物が満足に食べられなかったりと、つらい記憶として残っている。 20代の頃、左織には全く記憶がないが、疎開先で左織によくしてもら…

食べるたびに、哀しくって・・・/林真理子

林さんのお祖母さんの家はお菓子屋さんだったそうで、余ったあんパンやジャムパンを、翌朝炊き上がったご飯の上にしばらく乗せてから食べるとあつあつでおいしかった、という話がすごくおいしそうだった。ご飯の上にパンを乗せるって大分斬新だけど、当時は…

アマテラスの暗号/伊勢谷武

日本人の祖先は、イスラエルの辺りから来た人達かもしれない。私は全く聞いたことがなかったのだけど、事実に基づいた話らしい。 それにしても、色々な神社があるんだなあ。少し行ってみたくなった。 アマテラスの暗号 〈歴史ミステリー小説〉 作者:伊勢谷 …

人生の法則/岡田斗司夫

著者の岡田さんによると、人は欲求のタイプにより4種類に分けられるそうだ。その4タイプとは注目型、指令型、理想型、法則型で、完全に4タイプにきっちり決まるかというと、指令型寄りの注目型だったり、その時の調子によって揺らぐこともある。人をタイプ分…

ニートが見た松戸裁判傍聴日記/市川春希

著者は仕事を辞めてから転職するまでの間に、ほぼ毎日最寄りの裁判所に通い、裁判を傍聴し続けたそうだ。この本では、著者が傍聴した中で印象に残った裁判を6件紹介している。 ニュースにはならなくても、こんなにも色々な事件が起こっているのだなあ。面白…

死体格差/西尾元

解剖が必要とされるのは、穏やかな死を迎えられなかった人の遺体だ。著者の西尾さんが解剖してきた人達の約50%が独居者であり、約20%が生活保護受給者、約30%が精神疾患患者だそうだ。 日本では生活に困ったら生活保護を受ければよいという話を聞くことがあ…

熊と踊れ/アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンベリ

この小説は、スウェーデンで実際に起こった事件が元になっているそうだ。タイトルの「熊と踊れ」は、主人公のレオが、自分より強い相手に勝つ方法を父親から教わった時に、父親が言っていた言葉だ。この父親は暴力的な人間で、ある時妻を半殺しにしてしまっ…

DUTY/ボブ・グリーン

広島に原爆を落とした飛行機エノラ・ゲイ。そのパイロットであるポール・ティベッツへのインタビューを通して、著者は、ティベッツと同年代の生まれで、ティベッツと同じく第二次世界大戦を生き残った父親の生き方を理解していく。 親と同年代の人と仲良くな…

がんと闘う・がんから学ぶ・がんと生きる/中島みち

この本は元々3冊に分かれていた本を1冊にまとめたもので、(1)著者の中島みちさん自身が乳癌になった時の話、 (2)末期の癌になり亡くなってゆく女性と、その友人の女性(癌になったがその後再発はしていない)の話、(3)中島さんの旦那さんがある日突然末期の肺…

検屍官/パトリシア・コーンウェル

この本の中で、犯人がどうやって獲物を探したかを推理している時に、花を届ける仕事なら不特定多数の女性と接触できると言っていた。 宅配便の荷物を受け取ってサインする時、実はいつも、もしこの人が悪い人で、このまま家の中に押し込まれたら終わりだなと…

フェアトレードのおかしな真実/コナー・ウッドマン

緑色のカエルのマーク、フェアトレードと書いてあっても、どれほどの意味があるのだろうと正直思う。 実際、あのマークがついているものの原材料などの取引において、最低価格は保証されているけれど、そもそも最低価格を下回ることがなく、フェアトレードに…

「生きる」という権利/安田好弘

弁護士である著者の安田さんが携わったいくつかの事件について書かれた本。 特に大変だった事件を選んで書いてあるからなのか、色々とつらい。こんなに頑張っても、ままならないことばかりなのかと思う。 弁護士という仕事の難しさは、法律の知識がどうとか…

雑学「大江戸庶民事情」/石川英輔

今の世の中は、色々な技術が進歩して便利になった面もあるけれど、進歩が速すぎて、環境の再生速度よりも破壊速度の方が上回ってしまっている。それに、常にもっと上を目指さないといけないというプレッシャーを感じる。でもそういう生き方で人生が豊かにな…

絶歌/元少年A

理性でコントロールできない部分というのは誰にでもあって、少年Aの場合はそれが異常な感情や行動と結びついてしまったということだと思う。大人でもカッとなって、普段よりきつい言い方をしてしまうなんてことはある。14歳の子供が強い感情を制御できるかと…

なぜヨーロッパで資本主義が生まれたか/関廣野

色々書いてあったと思うのだけど、多分私にこの本を読むための下地となる知識がないせいで、何が書いてあったかというとうまく言えないし感想が出てこない。 そんな感じなので、ほんの限られた点について思ったことを書いておく。 時々、海外の実力主義を見…

行動経済学 経済は「感情」で動いている/友野典男

常に合理的な選択ができる人間なんていなくて、大方の選択は感覚的だったり直感的だったりするものだ。 実際、この本の中でいくつか問題が書かれていて、確率的にはこの選択肢が最も合理的だと説明されても、その選択肢を選ぶ気になれない。 と言っても、人…

平成史/片山杜秀・佐藤優

ああ、こういうことあったなあと懐かしい気持ちになった。 佐藤さん、作家になった時に潰れた作家の研究をしたとかさすが。それから、ドラマまで何でも見ていてすごい。 1人では世界を幸せにすることはできないけど、1人の行動で戦争のきっかけを作ることは…

天ぷらにソースをかけますか?/野瀬泰申

日本の食文化は大体何でも西側と東側で特徴が分かれるらしい。ということは聞いたことはあったけれど、実際に色々な食べ物、食べ方について地図にして見ると、本当にほぼ綺麗に東西で分かれていて面白い。 タイトルにもなっている天ぷらにソースをかけるとい…

なぜ倒産

割と最近倒産した会社の、倒産の理由をまとめた本。 うまく行っている会社がうまく行っている理由はそれぞれなのであまり参考にならないが、潰れる理由は大体法則があるので参考になるのだそうな。 会社を経営するってのは大変なことだ。従業員を背負う重圧…

暇と退屈の倫理学/國分功一朗

人間は何万年もの間移住生活を続けてきたが、定住した途端頭を使う機会が減った。その分、文化など色々なものを発達させることができたけど、命の危険にさらされることも食べるものに困ることもなくなった人々は、退屈に耐えられない。 だから娯楽を与えられ…

私はいったい、何と闘っているのか/つぶやきシロー

主人公はすごく気が利く人なんだけど、ちょっとうまくいかないこともある。でも大体幸せそうだ。 エッセイかと思ったら小説だった。面白かった。 作者は今どうしているのかな。 私はいったい、何と闘っているのか 作者: つぶやきシロー 出版社/メーカー: 小…

刑務官佐伯茂男の苦悩/小笠原和彦

刑務官とは拘置所で死刑囚の世話をする人で、死刑を執行することもある。何とも気が滅入りそうな仕事のように思うけれど、この仕事に就く方はどういう経緯で就くのだろう。 もうすぐ死ぬと分かっている人間を相手にすることや、死刑の執行ボタンを押すことは…

日本奥地紀行/イザベラ・バード

明治維新の数年後、イザベラ・バードさんが一人の通訳を連れて日本の奥地を旅した記録。 イザベラさんは旅をした当時多分それほど若くないだろうし、言葉も通じないし、よくもまあ一人で何日も旅をしようという気になったなと思う。どこも観光地ではないから…