2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

さよなら、ニルヴァーナ/窪美澄

14才の時に子供を殺した神戸の少年Aを題材にした小説。 この小説の中で、少年Aが、一部の人達の間でアイドルのように扱われていることになっているのだけど、実際にそういったことがあると、聞いたことがあるようなないような。そんな感じで、半分くらいは実…

残穢/小野不由美

某漫画の作者さんが、書いている漫画に出てくる言葉の元はこの本だと言っていて、以前から気になっていた。怖い話は後から思い出すと嫌なので、手を出さないでいたのだけど、明るいうちに読んでしまえばいいだろうと思って、読んでみた。 最初の方の怪異はや…

コメほど汚い世界はない/吾妻博勝

私たちが買っているお米の袋に書かれている、新米だとか産地だとか銘柄の表示は大抵間違っている。かもしれない。 実際にどうなのか知る術がないし、古米や他の種類の米が混ざっているくらいはまあいい。でも、何かに汚染された米が混じっているのは嫌だ。 …

コラプティオ/真山仁

自分がこうありたいと願っている姿を維持するのって、難しいよなあと思う。無礼な奴にはなりたくないと思っていても、付き合いが長くなってきた相手の扱いが段々とぞんざいになってきたりとか。傲慢な奴にはなりたくないと思っていても、運よく順調な状態が…

沈黙のひと/小池真理子

主人公である怜子の両親は、怜子が幼い頃に離婚し、父親とは殆ど合わないまま暮らしていた。けれど父親のパーキンソン病が進行し、介護施設に入ることになって、父親との交流が始まる。 やがて父親は亡くなってしまうのだけど、遺品から、様々な父親の過去を…

礼賛/木嶋佳苗

著者の木嶋さんが何をした人かは知らずに読んだ。警察車両に乗っている場面から始まるので、何らかの犯罪を犯した人で、その犯罪の経緯がこれから語られるのだと思って読んだけれど、違った。でも、自分の人生には起りえない、他人の奇妙な人生は面白かった…

帝の毒薬/永瀬隼介

主人公の羽生は、いわゆる731部隊に所属していた。下っ端のため、直接実験に関わることはないけれど、現地でも、戦争が終わって日本に戻ってきても、何だかんだで色々と巻き込まれてしまう。(主人公だから・・・。) 戦争を経験した人が当時のことをあまり語…