キャパになれなかったカメラマン(上)/平敷安常

平敷安常さんが、主にベトナム戦争での取材の様子や、そこで出会った記者やカメラマンについて語った本。

ベトナム戦争について知りたくて読んでみたのだけど、そもそもそれを紹介することはこの本の趣旨ではないので、そういうことはあまり書かれていない。

でも予想以上に面白かった。

 

記者とカメラマンがチームを組んで戦場などに出かけて行き、取材をするらしい。

ストーリーを作るのは記者で、記者がカメラマンに撮ってほしいものを指示することもあるけれど、呼吸が合ってくるとカメラマンは記者が求めるものが分かってきて、記者も何も言わなくなるのだそうな。

長いこと同じ人と組んでいる人もいればそうでない人もいる。

平敷さんはずっと後者のやり方で仕事を続けていて、色々な人と組んでいる。

相当タフじゃないとできないけど面白そうな仕事だ。

 

ベトナム戦争には直接関わっていない日本の記者やカメラマンが、思ったより沢山ベトナムに行っていたことに(そして何人かは亡くなっていることにも)少し驚いた。

 

多くの人から褒められる映像って何だろうなあ。

見たことのないもの、めったに撮れないもの、衝撃的なもの、美しいものを見ると感動するけれど、そういうことではないのかな。