一億円のさようなら/白石一文
何十億ものお金があっても、使い道がなく、だらだらと浪費するだけでは人生が破綻しそうなのであまり欲しいと思わないけど、それだけのお金がなければ絶対にできないことにバーンと使えるならいいな。そういう機会は、普通に生活している人には殆ど訪れないだろうけど。
花酔ひ/村山由佳
着物の話か仕事の話かと思って読み始めたら、ああ、こういう話か。本の表紙から考えると、まあそうだよね。
せっかく相性の良い相手を見つけたのに、勿体ない。昔、夫婦がお互いのパートナーを入れ替えるという少女漫画があって、皆が本音を包み隠さずぶっちゃけてしまえばそういうことも可能だったんじゃないかと思うけど、うまくいかないものだな。
魂萌え!/桐野夏生
突然夫を亡くした女性が主人公で、生前の夫が実は何年も浮気をしていたことが分かったり、殆ど音信不通だった息子が遺産を相続してほしいと言ってきたり。
私は子の立場から考えるのだけど、もし父が突然死んだら母はどのくらいショックなのだろう。私にはあまり仲が良さそうに見えないとは言え、さすがに何年も一緒に暮らしてきた人が亡くなればそれなりの衝撃はあるだろう。けど、正直割と平気なのではと予想している。逆の場合は、まず生活していくのが大変で困りそうだけど。
それから、母親はまだ健在なのに、父親が亡くなった途端に遺産が欲しいと言い出す子の気持ちは分からない。私は遺産なんて特に貰うことを期待していないけどな。亡くなる頃に何か余っていれば貰うけど。余程お金のある家でなければ皆そんなものなんじゃないのか。
この話に登場した息子はお金に困っていたようなので、そういう状況だと貰えるものは欲しいと思うのかもしれない。それでも親からお金をもらおうという発想にはあまり至らない気はするけど。