引火点/笹本稜平

ビットコインは今のところごく一部の人だけがすごく得をしたり損をしたりしている状況だと思うけど、普及はするのだろうかどうだろうか。私のような者には、普及してみないと良さが分からないかもしれない。あまり積極的に使ってみたいという動機もないし。

Torは試しにちょっと使ってみたけど、重い。用もないのに使うものではないな。

 

一億円のさようなら/白石一文

何十億ものお金があっても、使い道がなく、だらだらと浪費するだけでは人生が破綻しそうなのであまり欲しいと思わないけど、それだけのお金がなければ絶対にできないことにバーンと使えるならいいな。そういう機会は、普通に生活している人には殆ど訪れないだろうけど。

 

 

花酔ひ/村山由佳

着物の話か仕事の話かと思って読み始めたら、ああ、こういう話か。本の表紙から考えると、まあそうだよね。

せっかく相性の良い相手を見つけたのに、勿体ない。昔、夫婦がお互いのパートナーを入れ替えるという少女漫画があって、皆が本音を包み隠さずぶっちゃけてしまえばそういうことも可能だったんじゃないかと思うけど、うまくいかないものだな。

 

地面師たち/新庄耕

こういう仕事は、うまく行ったら面白いと感じるかもしれない。そのせいでつらい目にあう人達のことを考えないのであれば、だけど。

 

悪の教典/貴志祐介

サイコパス蓮見先生。人の気持ちが分からないというのは、そういう障害だと思うので悪かというと違う気がするし、気の毒だと思うけど、さすがにやりすぎで段々とイライラしてくる。

人の痛みが分からないというのはその通りだとして、お互いに相手を殺しませんというルールのもとに世の中が成り立っていることについては、この人はどう考えるのだろう。自分もいつ殺されても構わないのだろうか。

 

 

 

難民調査官/下村敦史

難民調査官がどういうふうに仕事をしているのかや、難民の定義などが分かって面白かった。

一見正しい/間違っているように見えることも、立場が違えば何が正しいかが異なることもある。そのうえで一番良いと思えるルールを決めてやっていくしかない。

 

魂萌え!/桐野夏生

突然夫を亡くした女性が主人公で、生前の夫が実は何年も浮気をしていたことが分かったり、殆ど音信不通だった息子が遺産を相続してほしいと言ってきたり。

 

私は子の立場から考えるのだけど、もし父が突然死んだら母はどのくらいショックなのだろう。私にはあまり仲が良さそうに見えないとは言え、さすがに何年も一緒に暮らしてきた人が亡くなればそれなりの衝撃はあるだろう。けど、正直割と平気なのではと予想している。逆の場合は、まず生活していくのが大変で困りそうだけど。

 

それから、母親はまだ健在なのに、父親が亡くなった途端に遺産が欲しいと言い出す子の気持ちは分からない。私は遺産なんて特に貰うことを期待していないけどな。亡くなる頃に何か余っていれば貰うけど。余程お金のある家でなければ皆そんなものなんじゃないのか。

この話に登場した息子はお金に困っていたようなので、そういう状況だと貰えるものは欲しいと思うのかもしれない。それでも親からお金をもらおうという発想にはあまり至らない気はするけど。