亡者たちの切り札/藤田宜永
似ていない親子もいることはいるだろうけど、遺伝するのだから、大抵の親子は見た目が似ているものだと思う。横に並んでみた時に、誰が親子かって、そんなに分からないものかな。
と思ったけど、私も父や母と似ていると他人からは言われたことがあるけど、自分でそう思ったことはないや。
自分の子がすぐそばにいても、それを明かすことができないってどういう気持ちだろうか。
子の側としては、独立して何年も経ってから自分の本当の親が誰だか分かっても、びっくりはするけど、それだけかもしれない。
でも親の側はきっとそうじゃないんだろう。悪いことなんてしなければよかったのに。
二重生活/小池真理子
偶々目についた誰かを尾行してみる。ちょっと面白そうだけど、大抵は何も面白いものは見られないんだろうと思う。何か面白いものが見られたとしたら、それは相手が見られたくないものかもしれないし、何にせよやられる方は気持ちの良いものではない。気付かれた場合、相手によっては危ない目に合うかもしれないし、トラブルになるかもしれない。
この話では色々丸く収まったけど、面白半分でやることではないと思うなあ。
老猿/藤田宜永
適度な距離感を保ちながら付き合える興味深い人物がいる暮らし。いいな。
老猿と一旦別れた後、また会えてよかった。それに、どうせどこまでも追ってくるのだから、あのタイミングでよかった。
幻痛は鏡の中を交錯する希望/長沢樹
誰が誰だか分からなくなる。名前が読めないと特に。
才能があるからといって、やりたくない仕事を無理やりやらされるのは嫌だな。もうちょっと楽にやれる仕事ならいいけど、全然楽じゃないし。