ラオスにいったい何があるというんですか?/村上春樹

旅行記を読んでいると、いいなあ、楽しそうだなあと思う。でも実際に旅行に行く気になるかというと、面倒臭さの方が先に立ってしまってそうはならない。

子供の頃はよく車で国内旅行に連れて行ってもらったけど、気分が悪くなって毎回地獄だった。私にとって旅行と言えばそういう印象なので、あまり好きではないんだろうなあ。飛行機も酷く揺れて酷い目にあったことがあるので好きではないし。

 

天空の蜂/東野圭吾

原発について問題意識が足りないと言われましても。例えば放射性廃棄物の処理の問題とか、原発の近くに住んでいる人達の負担とか、原発を止めたらどれだけ困るかなど、全く気にならないわけではない。でも、常に問題として考えているかというとそこまでではない。賛成か反対かと言われても知識がなくて判断できない。

世の中に問題は色々あって、全部を考えることなんてできないので、基本的には専門家に任せて、それぞれ自分の仕事をするしかないと思う。

 

骨の記憶/楡周平

他人に成りすまして生きるって、恐ろしいけどわくわくしそう。特に将来に不安があって、この先問題が解決する見込みがない時に、そうすることで人生が大きく変わるのだとしたら、手を出してしまうかも。

 

もう何年も会っていなくて、今となっては自分の人生に無関係な人に対して、逃げ得は許さないなんて気持ちが湧いてくるものなんだろうか。お金は沢山手に入ったけど自分は不幸だと思っていたから、殆ど忘れていたような人のことまで思い出しては、不幸にしてやりたいと思うのだろうか。

 

兵士を追え/杉山隆男

自衛官というだけでも特殊な職業だろうけど、潜水艦乗りは、何か月も海の底で過ごし、その間外部との連絡は取れないとなると、一般的な人とはかなり違った生き方になりそう。帰ってきたら同棲していた彼女がいなくなっていた、なんていうこともあるらしい。地上で普通に暮らしている人の感覚では、何か月も連絡が取れない人のことは待っていられないんだろう。

密閉した空間に長期間いるので匂いが染みつくとか、生活する空間がかなり狭いとか、緊急時に備えてドアは開けっ放しだとかいう話だと、女性は配属されないのかな。

潜水艦に乗っていると魚の鳴き声が聞こえるそうだけど、どんな鳴き声なのか気になる。

(記憶を頼りに書いているので、間違いがあるかもしれない。)

 

ブラックボックス/篠田節子

食品が安全かどうかということは気になるけれど、大抵は食べてすぐに体に変化が起こるわけではないので、問題があるかどうか判断するのは難しい。

幸い選択肢は豊富にあるので、加工されたものや原材料に得体の知れないものが書かれている場合は避けるようにしているけど、生活に余裕がないとそれもまた難しい。買ってすぐに食べられるものは便利なので、忙しければそういうもののお世話になるしかない。そうならない生活を維持できれば良いのだけど。

 

受難/帚木蓬生

溺死した女子高生をiPs細胞と3Dプリンタで作る。

技術的に可能かどうかしか検討されず、倫理的にどうかということは誰も言わないのを不思議に思った。

しかも人を作るのなんて初の試みなのに、作った後のことも考えられておらず、とりあえず作れるかどうかしか考えられていないとは。そんな状態で人を作って、恐ろしくないんだろうか。

実際に問題は起こるのだけど、別の理由でその心配をする必要がなくなって、私はほっとした。

 

ES細胞は胚から作る、iPs細胞はどこでもいい、どこかの細胞を初期化して作るという説明は勉強になった。

 

法の雨/下村敦史

成年後見制度という言葉は聞いたことがあったけど、どんな制度かは知らなかった。この話では、認知症になった裁判官の奥さん自身が後見人になるよう申請をしたのだけど、後見人に指定されるのは大抵家族ではなく弁護士で、弁護士の許可がないと家族はお金を使えないらしい。しかも毎月何万もの手数料を取られるし、途中で辞めることもできないとか。自分の家族にお金を渡したくない人には良い制度かもしれないけど、そうでないのにうっかりこの制度を利用してしまうと面倒なことになりそう。

 

それから、検察に起訴された事件の有罪率は99.7%という話。そもそも有罪であることが明らかな場合しか起訴しないのであれば、有罪か無罪かを警察と検察が決めてしまっているのではと書かれていて、アレッ、確かにそうかなと思う。でも、何でもかんでも裁判をしていたらきりがないしなあ。