イベリコ豚を買いに/野地秩嘉

イベリコ豚がどんぐりを食べて育つという話を、私は初めて聞いたのだけど、日本でイベリコ豚が流行った頃、そういう宣伝文句が謳われていたらしい。

けれど実際は、ドングリを食べて育ったイベリコ豚はとても高価で、日本に出回ったイベリコ豚の殆どはドングリを食べて育った豚ではないのだそうな。そしてドングリを食べて育ったイベリコ豚はドングリの風味がしてとてもおいしいらしい。

この本は、著者である野地さんが、ドングリを食べて育つイベリコ豚をスペインまで見に行ったことをきっかけとして、日本で売るためのイベリコ豚の新商品を開発するまでのお話。

 

イベリコ豚を最もおいしく食べる方法は生ハムなのだけど、日本で売られている生ハムというのは、本来の生ハムの作り方ではないらしい。

生ハムは本来、塩漬けにした肉を干すのみで作られていて、スモークしたハムよりも長持ちするもの。スペインでは昔からそうやって保存食として親しまれてきた食べものなんだそうな。

イベリコ豚を日本に広めてくれたということで、野地さんにイベリコ豚を売ってくれた人や、イベリコ豚の生産に関わる人から大変感謝されたと書いてあった。

日本で、スペインにおけるイベリコ豚に該当するものって何だろう。餅?米?例えばそういうものを海外で広めてくれたとしたら嬉しいだろうか。作っている人は嬉しいものなのかもしれない。

 

イベリコ豚を買いに

イベリコ豚を買いに