ユニクロ潜入一年/横田増生

 文芸春秋の記者である著者は、この本を書くより以前に「ユニクロ帝国の光と影」という本を書き、ユニクロから訴えられたが勝訴。その後ユニクロから、と言うより柳井社長から取材を断られ続けたが、柳井社長の、悪口を言っている人はうちの会社で働いてみてもらいたいという言葉を自分への招待状では?と考えて、ユニクロにアルバイトとして潜入した。

ユニクロ内で働きながら見たこと、そして海外のユニクロ下請け工場の悲惨な労働環境を暴いた人権NGOへの取材など、ユニクロの労働環境の問題を中心にまとめたのが本書。

 

文春の記者さんがどういう人なのかよく分からないが、多分優秀な人なんだろう。そんな人が下っ端のアルバイトとして働いて、本当は英語がペラペラなのに喋れないふりをしてみたりと、面白い。名前が割れてしまっているからと法的に改名してまで取材するとは、すごい執念だ。

酷い労働環境なのは、まあこんなもんだよねという気もするし、私たちが安くものを買える分どこかで誰かが搾取されていると思うと何だかむなしい気持ちになる。そこまで安さを追求しなくてもいいよ。

 

香港の人権NGO、SACOMのメンバーは何と20代の女性3人だそうな。世の中には色々な仕事をしている人がいる。

ユニクロ潜入一年

ユニクロ潜入一年