国家の謀略/佐藤優
佐藤さんがSAPIOという雑誌で連載していた内容をまとめた本。
当初は(佐藤さんの)公判への影響と外務省からの妨害を考慮して、ペンネームを使って記事を書いていたらしい。
全体的に面白かったのだけど、短い記事がいくつも収められているので、どこがと言うとちょっと難しい。
記憶に残っていることを挙げると、
- インテリジェンス能力の高さは国力と大体比例する。
- ただしアメリカはそれほどでもない。理由は、他国より圧倒的に強く、インテリジェンス能力がなくても力で押し切れるから。
- 日本は戦前、戦中はインテリジェンス能力が高かった。
ちなみにインテリジェンスとは情報を扱う能力を指すらしい。
例えば情報を収集する、集めた情報を分析する、情報を取られないようにする、人に取り入る、こちらに有利になるよう相手に情報を出す、などの能力。
この本を仕事に役立ててくださいと書いてあり、国家間だとか規模の大きな話なのでさすがに実用的とまではいかないけれど、確かに似たようなことは仕事でよくある。
それにしても、今はもしかすると他国と比較して平和ぼけしているかもしれない日本が、インテリジェンス能力が高かっただなんて意外な感じがする。
それからこれは多分最後の方に書いてあったのでよく覚えているのだけど、古典や神話を読むとその発祥の地に住む人々に刷り込まれている考え方が分かると書いてあって、日本なら古事記を読むと良いそうだ。
歴史を学びなさいというのと同じようなことだね。
古事記ってどんなことが書いてあるのだっけ・・・確か因幡の白兎とか。ちょっと読んでみようかな・・・。