マネーロンダリング/橘玲
漫画以外でノンフィクションを読むのは何年振りか。
面白くてあっという間に読んでしまったけど、私にはあまり後に残るようなものはなかったかなあ。
一つ思ったのは、自分がお金に執着するタイプに育たなくてよかったなということ。今の世の中、お金さえあれば大抵のことは叶うけど、大金が欲しいという気持ちはよく分からない。身の丈に合わないものは身を亡ぼすと思うから。そういう風に考えられるのは、多分幸せに生きてきたということなんだろう。
それにしても、登場人物皆おかしな人ばかりだ。主人公の秋生は、最初は面倒なことに巻き込まれた一般人だと思っていたけど、この人も割とまともじゃないというか、私には何を考えているのかよく分からない人だった。ヤクザの黒木の方がよほど筋が通っているように思う。けどそこは黒木の言うように、
生身の人間はいつもそんなふうにわかりやすく動くわけじゃねえ。そこらの犬コロだって、殴ったり蹴ったりされても飼い主の足元をキャンキャンいって舐めるじゃねえか
ということか。