雪ぐ人/佐々木健一

日本の刑事事件の有罪率は99.9%と言われていて、つまり起訴されたら無罪を勝ち取るのはほぼ無理ということだ。そんな状況で、無罪14件という実績を持つ今村核弁護士について書いたのが本書。

 

無実であることを証明するために、膨大な手間と時間を割くことになる。火事に関する事件で、燃え方について分からないことがあれば、実際に同じような状況を作って燃やしてみたりなど。そして得られるお金はほんの少し。普通の弁護士ならばそんなことはしない。もし自分が冤罪で捕まった時に、ここまでしてくれる弁護士さんには出会えないんだろうなあ。

 

今村さんは、今村さんのお母さんが言っている通り、不器用だから無理をしてしまう人だと思う。でもそうやって、無茶なことにも執念で向かっていく人が何人かに一人いてくれるから、世の中が少しずつ変わる。

雪ぐ人 えん罪弁護士 今村 核

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