行動経済学 経済は「感情」で動いている/友野典男
常に合理的な選択ができる人間なんていなくて、大方の選択は感覚的だったり直感的だったりするものだ。
実際、この本の中でいくつか問題が書かれていて、確率的にはこの選択肢が最も合理的だと説明されても、その選択肢を選ぶ気になれない。
と言っても、人間は大雑把な選択でうまく生きている面もあるし何でも合理的なら良いということはないのだろうけど。
天ぷらにソースをかけますか?/野瀬泰申
日本の食文化は大体何でも西側と東側で特徴が分かれるらしい。ということは聞いたことはあったけれど、実際に色々な食べ物、食べ方について地図にして見ると、本当にほぼ綺麗に東西で分かれていて面白い。
タイトルにもなっている天ぷらにソースをかけるというのは、私は割と最近知ったのだけど、未だに見たことはないし、数ある食文化の違いの中でも特に違和感がある。でもとんかつとか、パン粉をつけて揚げたものにはソースをかけるので、天ぷらにソースが合わないこともないか。
食べ物じゃないけど割と驚いたのは、灯油を入れるポリタンクの色も東西で赤と青に分かれるという話。青かぁ。よく考えたらポリタンクの色なんて何でもいいんだけど。何なのその違い。
天ぷらにソースをかけますか?―ニッポン食文化の境界線 (新潮文庫)
- 作者: 野瀬泰申
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/12/20
- メディア: 文庫
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なぜ倒産
割と最近倒産した会社の、倒産の理由をまとめた本。
うまく行っている会社がうまく行っている理由はそれぞれなのであまり参考にならないが、潰れる理由は大体法則があるので参考になるのだそうな。
会社を経営するってのは大変なことだ。従業員を背負う重圧で眠れなくなりそう。雇われの身は楽でいいな。
それにしても、この本に載っている会社は殆どものを作る会社だったのだけど、ものを作る会社が特に沢山潰れているということなのだろうか。
暇と退屈の倫理学/國分功一朗
人間は何万年もの間移住生活を続けてきたが、定住した途端頭を使う機会が減った。その分、文化など色々なものを発達させることができたけど、命の危険にさらされることも食べるものに困ることもなくなった人々は、退屈に耐えられない。
だから娯楽を与えられると、それに飛びついてしまう。それが産業に都合が良いだけのものであっても。例えば大して機能が変わっていないのに頻繁にバージョンアップされる携帯電話をその都度買い替えてしまうとか。
仕事に打ち込むのも、遊びの予定を埋めるのも、退屈になるのが不安だからかもしれない。
ここのところ私も、退屈して困っている。
仕事を一生懸命やらないとやっていけないような状態だった頃、こんなのは嫌だと思っていたけれど、正直充実していた。けれど年月を経てそこまで頑張らなくてもよくなると、段々と退屈だと感じるようになってしまった。
何か夢中になれるものが欲しい。色々新しいことを試してみるしかないだろうと思って、少しずつ動いてはいるのだけど、いつ出会えるのやら。
私はいったい、何と闘っているのか/つぶやきシロー
主人公はすごく気が利く人なんだけど、ちょっとうまくいかないこともある。でも大体幸せそうだ。
エッセイかと思ったら小説だった。面白かった。
作者は今どうしているのかな。
刑務官佐伯茂男の苦悩/小笠原和彦
刑務官とは拘置所で死刑囚の世話をする人で、死刑を執行することもある。何とも気が滅入りそうな仕事のように思うけれど、この仕事に就く方はどういう経緯で就くのだろう。
もうすぐ死ぬと分かっている人間を相手にすることや、死刑の執行ボタンを押すことは相当なストレスだろうとは思うけれど、自分だったら逃げ出したいと思うほど嫌だろうか。どうだろう。実際にやってみたことがないからうまく想像ができないかもしれない。少なくとも、長期的にそういう仕事をするのはきついだろうから、職業として自ら進んで選ぶことはしないかなあ。