タイタン/野崎まど

人間の仕事をAIが肩代わりするようになってから100年以上経った頃、世界に12基あるAIのうちの1基が不調になる。原因を探るため、AIを擬人化し、AI自身に不調の原因を尋ねることにした。そのカウンセラーとして選ばれたのが主人公。

 

パートナーのマッチングもAI任せ。これは精度が高ければいいかもしれない。でも終始ボードに乗って移動というのはどうなのだろう。筋肉が衰えてひょろひょろになるか肥満でぶよぶよになりそうだし、骨がスカスカになってしまわないのかな。他にも色々な能力が衰えそう。

 

何より、やらなければいけないことがなくなって、人々がどうやって生きているのかが気になる。

生きていくためにやらなければいけないことは、やりたくないと思うことも多いかもしれないけど、やれば誰かの役に立っているという承認欲求が満たされる。でもそういうものが一切なくなってしまって楽しく生きていけるのだろうか。

主人公は趣味でやっている心理学のようなものが世の中で高く評価されていて、こうして世界的な危機にお呼びがかかるくらいだから良いけど、やりたいことを自分で見つけられない人はいないんだろうか。