猿の見る夢/桐野夏生

本の帯に「これまでで一番愛おしい男を書いた」と書かれていて、ええー、こんな奴のどこが?と思ったけど、何故か段々と気の毒になってきて、終わり頃には応援するような気分に。

不倫で揉めるのは私の知ったことではないが、家族や親族間の揉め事は私にもあり得ることだからなのか、何とも嫌な気分というか、腹が立ったり悲しくなったり、気持ちが揺さぶられる。

 

もし私の身の回りに長峰のような人がいたら、私は何も尋ねないだろうな。通常は知りえないことなら知らなくていい。そもそも1回50万なんていうお金をぽんと出せるような生活はしていない。

でも藁にでも縋りたいような状況だったら、頼んでしまうのかもしれない。50万円を50円のように気軽には出せないけど、出そうと思えば出せる金額なので。